世界か、愛する人か『天気の子』
感想
主人公・帆高が、仲間たちの助けも得ながら、犠牲を厭わずに、空と一体化して人柱となってしまった陽菜を助ける物語。
物語だけでなく、今作は雨のシーンが多いが、降り落ちる雨の描写は実写かと思うくらいきれい。音楽も流すタイミングも書き下ろされた音楽もすごくマッチしていて感情を揺さぶってくる。
表面的なあらすじだけならハッピーエンドの物語。でもそれでいいのか?と疑問を投げかけてくるラスト。
大衆的ながらも、実際は賛否両論でそうな、かなり思い切った物語。単純に楽しめる、といった訳でもないモヤっと感。
帆高の行動は全く関係ない人からしたら「勘弁してくれよ」という感じでエゴに思われるが、映画を観ながらなぜか感情移入して応援してしまう。不条理な大人なんて、社会なんて振り払え。大丈夫だ、これでいいんだ、と肯定してしまう矛盾。
それが良いのか悪いのか答えが出せない。
新海誠監督のスタイルが、3作目としてどういう形になるのか楽しみ。