本と珈琲のある暮らし

小説やビジネス書を好んで読みます。読書の感想や日々感じたことなどをここに記していきたいと思います。

2022-01-01から1年間の記事一覧

『すずめの戸締まり』感想

基本情報 製作年 2022年 上映時間 121分 監督・脚本・原作 新海誠 キャスト 原菜乃華、松村北斗ほか 感想 第一印象は、明快にひとつのメッセージを打ち出してくる作品だな、ということでした。 象徴的なのは、常世で草太がミミズに語りかけるシーン。「今の…

世界か、愛する人か『天気の子』

天気の子 醍醐虎汰朗 Amazon 感想 主人公・帆高が、仲間たちの助けも得ながら、犠牲を厭わずに、空と一体化して人柱となってしまった陽菜を助ける物語。 物語だけでなく、今作は雨のシーンが多いが、降り落ちる雨の描写は実写かと思うくらいきれい。音楽も流…

シンプルな物語こそ深い『老人と海』

老人と海(新潮文庫) 作者:ヘミングウェイ 新潮社 Amazon あらすじ(ネタバレあり) 老人は一人で海に出る。大物が掛かるが、釣られて遥か沖合の遠くへ。格闘の末、大物を仕留める。村に帰る道中、幾度も鮫に襲われる。仕留めたり追い払ったりするも、大物…

有終の美『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』感想

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(吹替版) ダニエル・クレイグ Amazon 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(字幕版) ダニエル・クレイグ Amazon だいたいのストーリー(ネタバレあり) イギリスの諜報機関MI6を引退した007ことジェームズ・ボンド。恋人のマドレー…

情報の波に溺れないために『僕らが毎日やっている最強の読み方」

僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意 作者:池上 彰,佐藤 優 東洋経済新報社 Amazon 本書では、佐藤優氏、池上彰氏のお二人が、ふだん新聞、本、雑誌、ネットなどをどのように読んでいるのか…

神は何もしてくれないのか『沈黙』(遠藤周作)

沈黙(新潮文庫) 作者:遠藤周作 新潮社 Amazon 目次 「神とは何か?」を考えさせられる物語 過酷な状況でも神を信じられるか たどり着いた結論(ネタバレ含む) 感想 「神とは何か?」を考えさせられる物語 本書はひと言で言うと、 キリシタン弾圧が激しい1…

初めての戯曲『ワーニャ伯父さん』

かもめ・ワーニャ伯父さん (新潮文庫) 作者:チェーホフ 新潮社 Amazon 映画「ドライブ・マイ・カー」にも登場した、ロシアの劇作家チェーホフの『ワーニャ伯父さん』を読んでみた。 演劇の台本である戯曲というものを初めて読んだ。 読むと、ほんとうに「演…

怒涛の人生『ボヘミアン・ラプソディ』

ボヘミアン・ラプソディ Rami Malek Amazon バンド・クイーンのボーカル、フレディマーキュリーの伝記的映画。 バンドメンバーとの出会い、売れっ子時代、結婚と別れ、バイセクシャルの自認、バンドメンバーとの決裂とソロ活動、乱交パーティー、AIDS発症、…

50年経っても色褪せない『ゴッドファーザー』

特に素晴らしい傑作娯楽映画を選び、全国の映画館で1年間にわたって連続上映する「午前十時の映画祭」。 近くの映画館で「ゴッド・ファーザー」が上映されるとのことで鑑賞しました。 paramount.jp 1940年代アメリカの「マフィアの抗争の物語」。 「ゴッド・…

アイデアの生み出し方『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫) 作者:森岡 毅 KADOKAWA Amazon 『ストレングス・ファインダー』の自分の強み分析の結果から、回復志向(問題解決が好き、得意)を伸ばしたいなと思い、それに少しでも関連する本を読んで…

ストレングス・ファインダーで自分の才能を見つけてみた

目次 ストレングス・ファインダーやってみた 判明した5つの才能 ①公平性 ②回復志向 ③調和性 ④適応性 ⑤内省 ストレングス・ファインダーやってみた 自分の強みを、自分でしっかり理解したいと思い、ストレングス・ファインダーをやってみました。 さあ、才能…

ジェットコースター小説『野良犬の値段』(百田尚樹)

野良犬の値段 作者:百田 尚樹 幻冬舎 Amazon ちょっとダークでシリアスな小説が読みたいなと思って手に取りました。 読み始めると、続きの展開がすごく気になる! 話がどんどん展開するし、読む手も止まらない! そんなジェットコースターのような本でした。…

「多様性」の罠 『正欲』(朝井リョウ)

正欲 作者:朝井リョウ 新潮社 Amazon 去年読んだコンビニ人間に続き、これもまたすごい小説…。 コンビニ人間、52ヘルツのクジラたち、流浪の月など、最近話題になる本は「多様性」や「マイノリティ」がテーマのものが多い気がする。 この「正欲」もまさにこ…