本と珈琲のある暮らし

小説やビジネス書を好んで読みます。読書の感想や日々感じたことなどをここに記していきたいと思います。

アイデアの生み出し方『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』

 

 

『ストレングス・ファインダー』の自分の強み分析の結果から、回復志向(問題解決が好き、得意)を伸ばしたいなと思い、それに少しでも関連する本を読んでみようと思って本書を読みました。

 

著者の森岡毅さんのお名前も最近本のタイトルやYouTubeやらで目にしていましたし、本書のタイトルも気になってこの本を選びました。

 

マーケティングの実例とノウハウが書いてあるのかな?と思っていたので、はたして参考になるかな?と思っていましたが、めっちゃ参考になった&読み物としておもしろかったです。

 

前半は森岡さんが前職のP&GからUSJに移ってからの日々について書かれています。苦悩しながらもアイデアを捻り出し続け、ヒットを打ち続ける様子は臨場感もあり物語を読んでいるように楽しみながら読めました。

 

そして、本の後半になると、森岡さんのアイデアの考え方の一端が紹介されています。

知らない人から見ると、森岡さんは簡単に次々と成功につながるアイデアを生み出している天才のように見えるが、そうでは無いとご本人は言います。

 

森岡さんはポンポンとアイデアが浮かぶわけではなく、毎回考えに考えて捻り出していると。そして、そのためには良いアイデアを考えつく「確率」をあげることが重要と言います。

そしてその「確率」を上げるためには、考えるための「フレームワーク」、他の好事例を知る「リアプライ」、好事例含めた情報の「ストック」が大切とのこと。

 

わたしが参考にしたいなと思ったことは3つです。

 

①問題解決のアイデアを考えるとき、いきなりアイデアを考えるのは非効率かつ手段が目的化する恐れがあること。まずは「目的」とそれを満たすための「必要条件」に一番時間をかけること。そして最後に必要条件を組み合わせながら具体的なアイデアを考える(戦略的フレームワーク

 

②課題の原因を考えるとき、全体から闇雲に仮説を立てて考えるのは非効率かつ見落としが出る。なので全体を100と考えて、全体をカバーできるように50、50の2つの仮説を立てる。そこからどんどん絞っていく(数学的フレームワーク

 

③課題にぶつかった時、「同じ課題で悩んだ人が絶対にいるのでは?」と考える。ついつい自分でゼロから考えがちだけど、他の同じような事例を探してみるという意識をもつ。あとは普段から自分に身近な好事例をストックできる仕組みをつくっておく。

 

この本ではマーケティングの思考法について、突っ込んだことが書いてあるわけではないのですごく読みやすかったです。一方で本当はもっと奥が深いんだろうなと思いました。

 

この本を読むと森岡さんの目論見どおり「USJ行きたい…!」と思ってしまいます笑