『明け方の若者たち』カツセマサヒコ 感想
カツセマサヒコさんの『明け方の若者たち』を読んだ感想です。
表紙の綺麗な色合いだったり、タイトルの刹那的な感じに惹かれました。
著者はカツセマサヒコさん。今作が処女作です。以下のページのインタビューで今作について語っています。
カツセマサヒコさんデビュー小説「明け方の若者たち」 何者かになれなくたっていい |好書好日
12月に北村匠海さん主演で映画化もされるそうですね。
あらすじ
主人公の「僕」は大学の就職先が決まった学生たちの集まり「勝ち組飲み」の場で「彼女」と出会う。
この出会いから始まる「彼女」との恋、社会人になってからの「僕」や友人の葛藤といった現代の若者たちの物語が描かれています。
感想
まず、登場人物が少なく、ページ数も少なめ、平易な文でとても読みやすいです。
「僕」と「彼女」との恋愛模様がメインになるのですが、こそばゆい…。この大学時代とか新社会人時代に恋愛に夢中になる感じ分かるなぁ(経験ないけど)。
著者のカツセマサヒコさんはTwitterで「妄想ツイート」なるものを投稿していて人気のようで、その手腕が本書でも遺憾なく発揮されてるな〜と思います。
一方で「このままハッピーエンド!とはならないんだろうな〜。何が起こるんだろ?」と思っていると急に明かされる彼女の「秘密」(えー!!って感じでした笑)そして仕事でも葛藤を抱える。
彼女の「秘密」にはちょっとびっくりしましたし、そんなことあるん?と思うところもあるけれど、現代を生きる若者たちの生き様が、なんというか、刹那的で、ノスタルジックで、苦悩葛藤を抱えていてハッピーエンドではないかもしれないけど魅力的に写ります。
内容的にも(ちょこちょこ出てくるワード的にも、RADWIMPSとか)、新社会人から30代くらいの年代の人に1番刺さる内容かなと思います。
著者は2作目も出版済みですし、おそらく今後も「若者」をテーマに小説を書いていくんじゃないかなと思うので、次回作も読みたいですね。