本と珈琲のある暮らし

小説やビジネス書を好んで読みます。読書の感想や日々感じたことなどをここに記していきたいと思います。

この話をどう消化したらいいのか?『破局』(遠野遥)

 

 

 

何だこの物語は…?これが芥川賞なのか…?私はすごい読書家でもなく、何となく気になった本を趣味レベルで読むくらいで芥川賞の意味もよく分かってないですが、これがいわゆる「良い小説」なのでしょうか??

 

以下、感想。

主人公の陽介の恋愛がメインの物語なのですが、彼女には紳士的なんだけど、ラグビーを教える後輩には辛辣だったりと、彼女には優しくあるべきとかラグビーで勝つためには限界を超えてトレーニングしまくるべしとか自分ルールにかなり縛られている感じ。また、考え方が何か機械的、客観的、無関心なように感じる描写が多い。

 

そのためか、ラグビーの後輩から陰口を言われたり、最後には彼女に別れを告げられ通行人の男性に怪我をさせる(殺してしまう?)。他人との肉体的、精神的な距離感を掴み損ねてしまった結果でもあるのかなと思いました。

 

全体を通してこれは意味ある描写なのか?という描写が多い印象で、モヤモヤが残りスッキリはしないが、逆に言えば余白が多い物語で想像で楽しめるのかも。そういう話が好きな人にいいのかもしれないと思いました。私的には嫌いではないが、??な部分が多すぎて消化できてない感じ。

 

直接の描写を避けて読み手に想像されるような話や、虚無感漂う様な話は好きだけれど、何というか物語の中の個々の描写(点)がどこかで線で繋がったり、意味を持つような話であればもっとおもしろいな〜と思えたかも。

ただ私の読み手としてのレベルが低いせいで楽しめてない可能性が大ですが…^^;